「運動が美容にいいって聞くけど、実際どんな効果があるの?」そんな疑問を持っている方にぜひ知ってほしいのが、筋トレによる『糖化ケア』効果です。
糖化とは、余分な糖とたんぱく質が結びついてAGEs(終末糖化産物)をつくり、肌のくすみ、たるみ、シワなどの原因になる現象です。
実は近年の研究で、筋トレを取り入れることで糖化を抑制し、美肌をサポートする効果が期待できることが明らかになっています。
特に、女性でシミに悩んでいる人の割合は多く、20代からシミを気にし始め、30代、40代以降はさらに悩みが増える傾向にあるようです。まさに38歳、シミも気になります。
そこで今回は、運動、特に筋トレの糖化ケア効果や、筋トレの美肌効果などをわかりやすく解説します。運動と美肌に興味のある30代〜40代女性にこそ読んでほしい内容になっています。
運動は美肌に有益|筋トレで『糖化ケア』という新常識

最近では、肌老化の原因として『糖化』に注目が集まっています。この糖化を抑える方法として今、研究されているのが筋トレによる糖化ケアです。
実は、運動が血糖値の上昇を抑えたり、AGEsの蓄積を防ぐ効果があることが、近年の研究でも明らかになっています。
なかでも特筆すべきは、株式会社ポーラと立命館大学の共同研究。この研究では、「筋力トレーニングが肌にどう影響するか」が世界で初めて科学的に検証されました。
ポーラが解明した運動と美肌、そして糖化の関係

2023年6月23日、国際的な学術誌『Scientific Reports』に掲載された研究で、ポーラは、筋力トレーニングが血中成分に変化を与え、それが皮膚の老化を抑制する働きにつながることを世界で初めて発表しました。
研究では、40〜50代の女性61名が対象となり、4ヶ月間にわたり週2回の運動(有酸素運動または筋トレ)を実施。
その結果、どちらの運動も皮膚の弾力性や真皮の厚みの改善、つまり肌老化の予防に貢献することが明らかになりました。
特に、筋力トレーニングでは「真皮の厚み」が有意に増加。これは、糖化によってダメージを受けやすい真皮層が守られている証拠とも言えます。
さらに、筋トレによって炎症性ケモカインが減少し、それによって糖化の影響を受けやすい細胞外マトリックス(コラーゲン・ヒアルロン酸など)の生成が促進されることも突き止められています。
糖化対策としても注目『マイオネクチン』3つの働き

ポーラが研究を進める『マイオネクチン』という成分にも注目です。マイオネクチンは筋肉から分泌されるホルモンのような物質で、糖代謝の調整やメラニン生成の抑制に関与し、糖化による肌のくすみやシミの予防に貢献する可能性があるとされています。
マイオクチンは、「糖化+紫外線+炎症」によって進行しがちな肌老化全体をサポートしてくれる頼もしい存在です。
それでは、マイオネクチンの3つの働きについて解説していきます。
マイオネクチンはメラニンの生成を抑制しシミを防ぐ
メラニンは肌や髪に存在する色素で、太陽光に含まれる紫外線から体を守る重要な役割を果たしています。
しかし、肌を紫外線から守る一方で、過剰に生成されるとシミの原因となります。マイオネクチンは、過剰に生成されるメラニンを抑制するはたらきがあるため、シミの予防に役立つと考えられています。
メラノサイトへの稼働命令阻止
メラノサイトはメラニンを生成する細胞です。紫外線を浴びることでメラノサイトが活性化し、メラニンが生成され肌が黒くなります。
また、ホルモンバランスが崩れることでも、メラノサイトは活性化します。
マイオネクチンは、炎症を起こす因子であるメラノサイトの活性化を抑制する働きがあります。
メラニンキャップの分解促進
メラニンキャップは、肌の表皮細胞内に存在するメラニン色素の集合体のことです。核が帽子をかぶっているように見えることから、「核帽」とも呼ばれます。
メラニンキャップは通常、表皮細胞が変化して角層の細胞になっていく過程で自然に分解されますが、シミ部分では分解が滞り、細胞の内部全体を覆うほどの過剰な集積が認められています。
ポーラの研究では、培養した表皮細胞にマイオネクチンを添加すると、メラニンキャップを保持する因子が減ることを突き止めています。このことから、マイオネクチンの存在によってメラニンキャップが分解されやすくなると考えられます。
まとめ
今回ご紹介した研究からも分かるように、筋力トレーニングは美肌づくりにとって非常に効果的です。
特に、糖化によって影響を受けやすい真皮層や、シミ・シワ・たるみの予防に、筋肉の存在が大きく関わっていることが科学的にわかりました。
実際に、筋肉量が多い人ほどシミや毛穴が目立ちにくく、肌年齢も若々しい傾向にあるというデータもあります。
つまり、筋トレは、糖化ケア×アンチエイジング×美肌の三拍子そろった習慣ということですね。「運動が苦手・・・」という方も、まずは週2回の軽い筋トレから、ゆるっと糖化対策、始めてみませんか?