【運動で美肌】筋トレでシミが薄く！ポーラの研究で明らかになった運動による美肌効果とは

こんにちは！HACHIです。
化粧水や美容液などいろいろなスキンケア用品を試してみても、一度できてしまったシミを劇的に消すことは難しいですよね。お金をかけず、生活習慣からもっと効果的にシミを薄くできたらいいと思いませんか？女性でシミに悩んでいる人の割合は非常に高く、20代からシミを気にし始め、30代以降はさらに悩みが増える傾向にあります。

美肌をつくるには、いろいろな要素がからみ、スキンケアだけで美肌をつくりあげるのは難しいです。この記事では、ポーラの研究で解明された、運動でシミを薄くし、美肌がつくれるメカニズムを解説しています。この記事を読むと、美肌のための運動のメリットがわかり、今よりも効率的にシミを薄くするきっかけになるかもしれません。

運動は美肌に有益

ポーラが解明した運動と皮膚改善の内容を詳しく解説していきます。

ポーラが解明した運動と美肌の関係

2023年6月23日、国際的な学術雑誌『Scientific Reports』にポーラの研究結果が掲載されました。ポーラは、筋力トレーニングが美肌に貢献することを世界で初めて報告し、筋力トレーニングによる血中成分の変化が皮膚老化の改善に関与することを解明しました。
ポーラの研究は、立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授らの研究チームと共同でおこなわれ、有酸素性運動と筋力トレーニングの両方が皮膚の弾力性と、真皮構造を改善させることを解明し、特に筋力トレーニングは真皮の厚みを増加させ、若々しい外見に貢献する可能性があることを世界で初めて明らかにしました。

研究の被験者と期間

ポーラの研究は、40〜50代の女性61名に、４ヶ月間にわたって週２回の運動をおこなってもらうというもの。有酸素運動のグループと筋力トレーニングのグループの２グループに分けて実験がおこなわれました。

ポーラの実験で測定されたもの

研究期間の前後で、皮膚計測、採血、体組成測定、運動パフォーマンスの評価などを実施し、運動介入による変化を解析しました。また、運動前後に採取した血液の成分解析や、血液サンプル（血漿）が真皮線維芽細胞の真皮 ECM（Extracellular Matrix：細胞外マトリックス）の遺伝子発現量に与える影響を解析することで、運動による皮膚老化改善メカニズムの解明を試みました。
真皮ECMは、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸、水分などが含まれます。真皮の細胞成分である線維芽細胞と共存していて、皮膚の形状を保ち、様々な働きを円滑におこなうために重要な役割を果たしています。

研究結果

有酸素運動と筋力トレーニングは、どちらも皮膚老化の指標である皮膚弾力性と真皮構造を改善します。そのメカニズムとして運動による血中成分の変化が皮膚の重要な層である真皮の細胞外基質（主な成分はコラーゲン、プテオグリカン、ヒアルロン酸など）を増加させることを明らかにしました。
さらに、筋力トレーニングは加齢によって薄くなっていく真皮の厚み（顔のシミ、シワ、たるみ、見た目の若々しさに関連）も改善することも解明しました。その仕組みは、筋力トレーニングによって血中の炎症性ケモカイン（ケモカインはサイトカインの一種で炎症部で大量に産生されるタンパク質）が減り、その影響で真皮の 細胞外基質の一種バイグリカン（プロテオグリカンの一種で、バイグリカンを持たないマウスは真皮が薄くなるとの報告あり）が増えるためであることも突き止めました。

シミを薄くするマイオネクチン

ポーラは、筋肉から放出されるホルモン『マイオネクチン』の研究を進めています。マイオネクチンという成分は、シミを薄くする働きがあります。マイオネクチンは、ウォーキングなどの持久力を高める有酸素運動や筋トレによって増えることがわかっています。

マイオネクチン３つの働き

• メラニンの生成を抑制
  メラニンは肌や髪に存在する色素で、太陽光に含まれる紫外線から体を守る重要な役割を果たしています。しかし、肌を紫外線から守る一方で、過剰に生成されるとシミの原因となります。マイオネクチンは、過剰に生成されるメラニンを抑制するはたらきがあるため、シミの予防に役立つと考えられています。

• メラノサイトへの稼働命令阻止
  メラノサイトはメラニンを生成する細胞です。紫外線を浴びることでメラノサイトが活性化し、メラニンが生成され、肌が黒くなります。また、ホルモンバランスが崩れることでも、メラノサイトは活性化します。マイオネクチンは、炎症を起こす因子であるメラノサイトの活性化を抑制する働きがあります。

• メラニンキャップの分解促進
  メラニンキャップは、肌の表皮細胞内に存在するメラニン色素の集合体のことです。核が帽子をかぶっているように見えることから、「核帽」とも呼ばれます。作られたメラニンは、メラノサイトから周囲の表皮細胞であるケラチノサイトへと渡されます。ケラチノサイトに渡されたメラニンは、細胞核の周囲に集まり、大きな塊となります。これがメラニンキャップです。メラニンキャップは通常、表皮細胞が変化して角層の細胞になっていく過程で自然に分解されますが、シミ部分では分解が滞り、細胞の内部全体を覆うほどの過剰な集積が認められています。
  ポーラの研究では、培養した表皮細胞にマイオネクチンを添加すると、メラニンキャップを保持する因子が減ることを突き止めています。このことから、マイオネクチンの存在によってメラニンキャップが分解されやすくなると考えられます。

まとめ

運動、特に下半身の筋力トレーニングは、シミの予防や改善につながることがわかっていただけたと思います。また、筋肉量の多い人はシミが少ない傾向にあるといわれていて、ポーラの研究によれば、シミができない体質の人は、体幹と下半身の筋肉量が多いという結果もわかっています。
しかも、シミだけでなく、筋肉量の多い人ほどシワが少なく、毛穴も目立ちにくいといわれています。運動による美肌の効果は期待できそうですよね。ただし、ウォーキングやジョギングなど外で運動をおこなう場合は、日焼け対策をしっかり行いましょう。また、美肌に即効で効くものはなく、継続が非常に大切になります。